境内のご案内
興岳寺本堂の仏像
当寺の御本尊は薬師如来像です。石坂勘兵衛が甲斐の天目山の山中にて、毎夜キラキラ光るものを見出し、武田信玄に献上したという伝説があります。その後は石坂氏の手で守られてきたといわれます。
薬師如来は大日如来、阿弥陀如来、釈迦如来と共に悟りを開いた最高の地位にある仏像です。医療を司るので、薬壷を左手に持つ姿をしております。奈良の薬師寺の薬師如来像は有名です。如来像の両側に立っている脇侍と共に、三尊像とされます。興岳寺の脇侍は日光菩薩と月光菩薩です。
また、曹洞宗は禅宗であり、本来は釈迦如来が本尊です。両脇侍は普賢菩薩と文殊菩薩ですが、一仏両祖と言って高祖承陽大師、太祖常済大師を両脇侍とすることもあります。
そのほか、本尊の周囲に十二神将や四天王を立てることがあります。十二神将は如来を信仰する人々の守り神で、如来や菩薩が姿を変えて武器を手に、仏敵を撃退する姿勢を見せております。
また、年・時刻・方角を守護する役目もあるとされ、それぞれ決まった持ち物があります。四天王は、持国天(東)、広目天(西)、増長天(南)、多聞天(北)で、やはり仏様を守り、正法を進める力を持つとされます。
興岳寺には、薬師三尊像と、それを守る十二神将、四天王の諸像、金剛力士像などが安置されております。
境内の諸仏像
如意輪観世音菩薩像
本堂前の右側に、如意輪観世音菩薩像があります。
一切の衆生の願望を充たし、苦を救うという菩薩です。
頭髪に宝荘厳があり、手に宝珠などを持っております。
興徳稲荷
本堂の左にある小さな堂は、興徳稲荷を祀っております。
本来はインドの茶枳尼天で、恐ろしい力を持っておりますが、日本では稲荷明神として、家内安全・商売繁盛の守り神とされ、多くの信仰が集まります。
水子地蔵
門内のすぐ右にある白い石像は水子地蔵です。
この世に生まれることができなかった可哀想な胎児を救い、浄土へ導く地蔵様です。
聖観世音菩薩と永代供養墓
それから当寺の墓地入り口にひときわ高く立つのが聖観世音菩薩像です。
不幸や災難に遭った人々が、心の底から救いを求めて、一心にお祈りをすると、奇跡的に救ってくださると信じられてきました。
この観音様に守られる形で永代供養墓ができております。永代供養とは、近年の社会や家庭のあり方の変化に伴い、墓地はあっても祭祀者が居られない方や、家族が居られず先行き不安を抱かれる方のために提供された墓です。
興岳寺が年三回(春秋の彼岸と盂蘭盆会)の合同供養とを手厚く執行するようになっております。
世界遺産・日光
石坂義禮顕彰碑
世界の自然遺産・文化遺産を保護し後世に伝えるため、1972年にユネスコが指定を始めましたが、日本の重要な文化遺産として、日光東照宮を中心とする建造物も登録されました。
石坂義禮墓
日光の文化遺産や自然遺産が世界の人々に賛美されるのは、石坂義禮が生命を懸けて護った賜であり、私たちは改めて彼の功績を偲ぶものです。